河合良彦

石材篆刻の袴(ハカマ)作り

ちょっとした手紙や書、絵を書いたりしたときに端っこにハンコを捺すと一気に締まって見えます。
また何やらエエもののように見えます。
不思議ですね。
こういうのは印章制度ではなく、印章文化であるんだろうな。と思います。
8月6日の日曜日、京都印章技能士会の夏季研修会に河合祥子と一緒に夫婦で参加してまいりました。
研修内容は石材篆刻の袴(ハカマ)作りです。

袴ってなんぞや?といいますと、篆刻の印面を保護するキャップの事です。


袴を石材に付けたところです。
篆刻作品を裸で置いておくよりも、ぐっと大切にしてる感が上がります。


石材は特に欠けやすいので、袴を付けて印面を守るのですが、和柄の千代紙や着物生地などを使って作るので、見た目にもお洒落になります。
材料や作り方にも人それぞれ個性があるのですが、今回は下の写真のセットを使って作りました。

 


今回使用した袴(はかま)の制作キットです。
はさみとヘラ、定規、鉛筆、スティックのりを使って作ります。

 

講師は日展複数回入選の前川五風先生です。


真ん中の紳士が前川五風先生です。
日展作家です。息子さんも日展作家です。
この春から京都印章技能士会の会長を務めて頂いています。
ちなみに京都府印章業協同組合の前々理事長です。
左は高田印房の高田さんで、右は家内の河合祥子です。

 

参加者は若手から黄綬褒章授章のベテランまで12名でした。

技能士の集まりだけあって、さすがに皆さん手先も器用でとても上手に作っていらっしゃいました。


黄綬褒章・現代の名工・京の名工・京の名匠・日展作家・明日の名匠・京もの認定工芸士と様々な称号・認定を受けた技能士の面々が生徒として、黙々と袴作りに集中しています。


袴作りも中盤です。
先生の説明を聞きながら、説明書を見ながら、工程を進めていきます。

 

今までは河政印房でも篆刻の注文をお聞きして品物を納める時は、なんとかかんとか袴を作って付けていたりした時もあったのですが、最近は落款用ケースに入れて納めていました。
これからは自信を持って袴を作って付けられます。
いつも新しい研修課題を企画し、開催して頂いている役員の皆様・講師の皆様に感謝です。
ありがとうございます。
このブログを読んで、石材篆刻の落款印や遊印が欲しいと思った方がいらっしゃいましたら、是非ご来店いただくか、ご連絡下さい。
一級印章彫刻技能士の私どもが皆様の落款を心を込めて彫らせて頂きます。

最後までお読み下さりありがとうございました。

河政印房 店主
2017.08.08